リゾバ冒険譚・温泉旅館編⑫ ~新しい嫌がらせ~

リゾートバイト冒険譚

仲居陣、最年少のチャンコちゃん。

派遣のアルバイト陣とは違い、正社員としてこの旅館に雇われている女子である。

細かいことは忘れたが、とにかく陰湿につっかかってくることが感じ取れ、当時の私の爆発的なストレス源になっていた。

かろうじで覚えているエピソードについて。

この旅館の仲居は部屋担当を持って、その方のお世話をしていくスタイルになる。

私の部屋担当の夕食時、チャンコちゃんが先回りして、私のお客さんのお膳を持ってお客様の横に立っていた。すでにいくつかのイラつく嫌がらせを受けているフェーズだったので、チャンコちゃんのその振る舞いにカチンときた。けれども私は負けじと、自分のお客様に自ら声をかけに行った。

「お部屋が寒いとおっしゃっていましたが、お持ちしたストーブで事足りましたか?」

そう言ってぐいっとお客様の方に私が割り込むと、お客様は

「はい、おかげさまで。ありがとうございました」

と返し、私とお客様が和やかに会話をすることでお膳を持ったチャンコちゃんは居場所を失い、自分の嫌がらせが失敗したことを感じ取って、私に乱暴にお膳を押し付けて足早にいなくなった。

またある時、私がカウンターの当番をしている時にチャンコちゃんがコンビニの袋を持ってきた。

私は既にだいぶチャンコちゃんにイラついていた。

「これあげる」

チャンコちゃんは袋を私に差し出した。

性格の良い私は、つい

「ありがとう」

といってそれを受け取った。

「これなに?」

と私が聞くと

「ゴミ」

とチャンコちゃんは答えた。

関係性によっては、 ”ちょっとやめてよ~” と笑いあえるかもしれないが、私とチャンコちゃんの蓄積の間では、それはすごくイラっとする行いだった。

ある時、足を引きずりながら移動する私に仲居頭が声をかけた。

「もし、足が痛むようだったら、もう仕事をしないで帰った方が良いのでは」

と怪訝な顔をしながら、慎重に私へ言葉をかけた。

生活状況から言って、追い出されるわけには行かない私は

「いえ、全然大丈夫です。できます。やらせてください」

と強い熱意でそれを返した。

なぜにそんなことを突然言い出したのかと訝った。

そんなある日、モリタさんがこう言った。

「あの子、あんたに怒鳴られて意地悪されたってあたしに泣きついてきたよ。だもんで、あたしはじゃあジュースかってやるからって言ってジュース買ってやったんだども」

「え、あたし何にもそんなことしてませんよ。むしろ突っかかられて嫌な思いをしてるのはあたしなんですけど」

「だろうね。気いつけ」

あのヤロー!!

あたしは生活かかってるからここを追い出されるわけには行かないのに!

そんな被害者ぶって、悪評を巻き散らかされているなんてたまったもんじゃない。

恐らく仲居頭にも同じ手口を使ったに違いない。

私が足を悪くしてから結構経った後、言葉をかけられたので不思議な気がしていたのだ。

幸い私は、どんなに誇張をされたとしても、チャンコを怒鳴りつけたり意地悪したりと言われるような振る舞いをしていなかったので、何かをオーバーに言われた、という状況ではなかった。

もし皆さん、何か嫌がらせを受けたら、足をすくわれることがないよう、100%善良な人間であることをお勧めします。

そしてモリタさんの密告により、チャンコの嫌がらせの手口を把握した。

私はだいぶイライラさせられながら、チャンコとともに働いた。

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