Googleマップ上の日帰り温泉で、行ける範囲のめぼしい日帰り温泉は行きつくした自負があった。
けれどもこの「大島鉱泉」は、未だ未踏だった。主な理由として、開店時間と行きたいタイミングがかみ合わない、写真等の情報の範囲では惹きつけられる要素があまりなく、後手に回りがちだった、というのが挙げられる。けれども先日、北関東ノスタルジアを体験したため、弾みがついて未踏を制覇していく好奇心がもたげてきていた。
大島鉱泉は温泉で、胃腸によいとされており、もともとは温泉宿だったが今は日帰り温泉のみだという。
肝心の料金がどこにも書いていないが、これを書くために調べていたところ「銭湯」というジャンルになっているため、おそらく群馬県は一律 大人450円(2024年1月現在)のはずだ。そう思い、450円で入れる温泉を求めて、初の大島鉱泉へ行ってきた。
またこちらもこの記事のためのリサーチの際に気が付いたが、なんと薪で沸かしているのだそうだ。
これらの情報なしに、未知とリフレッシュを求めて大島鉱泉に行ってきた。
Googleの案内に従い、畑や住宅などが点在するエリアを抜けると、写真に見た建物が現れた。建物の傍にある煙突から煙が出ていたため本日開店している様子が伺えた。里山に煙の出ている煙突は、なんだかほっこりする気持ちにさせた。外観は正直心を奪う要素はなく、むしろ開いているのかどうかが疑わしい印象だ。けれども煙が昇っている。何かしらの活動がされているに違いない。
冒険をするような心持で門戸をくぐると、無人。
先の銭湯のように料金などが貼りだしている様子もない。
正面には、風呂屋を思わせる暖簾がかかっており「男湯」「女湯」の板が下がっていた。
玄関口にはお札やお守りのようなものが販売している?のか、箱にたくさん入って並べてある。また玄関横の水槽には、久々に見る ”巨大化した金魚” のような魚がじっと動かず佇んでいる。カウンターに大島鉱泉のパンフレットが入っていたので、広げてみると料金はやはり書いていない。結構重要な情報なのに。料金が書いていないという理由が、ここに足を運ばせるのに躊躇させた一因でもあった。この様子で1000円とか取られたらどうしよう。そう思ったけれども、これは冒険なんだと言い聞かせ、どんな様子なのか試してみたいという気持ちが勝った。
少し様子を見ても、誰も現れないので声をかけようか迷ったところ、カウンターに沿うように呼び鈴ボダンが設置されていたため、それを押してみた。
すると、奥からおじいちゃんが現れた。お風呂ですか?と聞かれ、そうですと答えると、ちょっと待っててくださいと言われ、お風呂の暖簾がかかっているドアを開け、浴槽にお湯を足したり温度を推し量る様子が見られた。果たして大丈夫なんだろうかと一抹の不安がよぎる。
少しすると、どうぞと言われ、未知の料金を払おうとしたところ「450円です」と言われた。
やはりここは、公衆浴場をうたわれるだけあって ”銭湯” の部類に入るようだ。
外観その他、施設設備には心を奪われる様子はないが、田舎のおじいちゃん家に遊びに来たと思えば、施設の具合は気にならなかった。
先日訪れた銭湯同様、恐らくかなり原始的な水道管の部類に入ると思うのだが、ひねるタイプの蛇口ではなく、押して水を出すタイプの蛇口が並ぶ。
かけ湯をして早速お風呂に入ると、さすが温泉だけあって、さらさらしてとても気持ちが良い。サイトなどでは ”胃腸にやさしい” というようなキャッチフレーズがついていたので、恐らく消化器系に効くタイプの温泉なのだと思う。
浴槽などは古びてはいるが、きちんと掃除がされている印象を受けた。
如何せん、インドのホテルでバケツにお湯を汲んでシャワーの代わりとしなければいけない経験などがあるため、施設設備への要求度は一般的なラインより、恐らくうるさく言わないタイプだと自負している。
幸いにして、その時間は私だけしか客がいなかったため、ゆっくりとお風呂に入ることができた。
風呂を上がって、ありがとうございましたと挨拶をすると、ゆっくり入れた?など優しい声かけをしていただく。ホスピタリティなどはこの時点で高得点だ。
さすが温泉だけあって、風呂上りは体が軽いような、独特の体調の良さを感じた。
薬効のある名湯とお見受けしている。
いろいろと真心を感じる、ほっこりとした温泉銭湯なので富岡市に立ち寄られる方には、オススメしたい観光スポットだった。
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