雪への気持ちが変わる、地方暮らし。

日常の出来事

首都圏に住んでいる頃、雪景色は一種のファンタジーだった。

見なれた景色がみるみる間に姿を変えていき、いつもと違う雰囲気を出す。

雪が積もるとか、雪ダルマだとか、かまくらだとか。

そういうものは絵本の世界の出来事で、季節の象徴みたいに描かれるけれども、現実世界では滅多にお目にかかれない、レアなイベント感を感じていた。

だから雪が降るとワクワクするし、雪景色を愛でることが出来ていた。

地方暮らしも8年目に突入しようとする今、残念ながらその感性はほぼ消滅している。

今住んでいるエリアでは、雪は死活問題に直結し、道路状況を悪くし、通勤時間に障りが出たりする。また、接客をメインとする会社に勤めているため、顧客の動線を確保するために早朝招集がかかり、朝早くから汗水垂らして雪かきをする義務が発生する。

地方暮らし1年目の頃は、雪かきを仕事でするなんて!!(嬉)と思っていたし、とても新鮮だった。しかし今や、明日大雪が降るかもしれない、という状況はテンションを下げるイベントとなっている。朝5時には起きて、会社からの緊急メール(雪かきしに、早く来い)が来ないか待ち構えなければいけないし、雪かきが確定すれば通常業務の1時間とは桁違いのカロリーを消費し、筋肉疲労によりその後の業務がはかどらなくなる。なんなら翌日にまで疲労や筋肉痛は持ち越されることがある。

雪を愛でる心があるというのは、ある種の贅沢なのかもしれないと最近思う。

風景が白みはじめると「これ、誰が片付けるの?」と絶叫したい気持ちになってくる。

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