移住した理由

日常の出来事

東京生まれ、首都圏育ちだった私だが、自分の意思で今地方暮らしをしている。

その決定要因は以下の通りだ。

1.東京に飽きていた

2.子供の頃から自然が好きで、憧れを抱くエリアがあった

3.ある人を追って

順番に説明したいと思う。

1.東京に飽きていた

東京は便利で、いろんなものがそろっている。

ただその環境に当たり前に慣れ過ぎていて、自然豊かなエリアなど地方に出向いた時の方が格段にテンションが上がる体質だった。もちろんそれは、旅行とかドライブとか、雑誌の紙面の中だけで見る田舎暮らしみたいな感じで、田舎のリアルを知らないで憧れているような状態だった。

それでも、満員電車だとか、緑の少ない殺風景な風景だとか、どこを見渡しても人工的なものばっかりという環境に飽きていた。東京の主要な場所には、自分が行ける範囲のところでは出向いていたし、これ以上は、居ても ”味がしない” と思えるほど、しゃぶりつくした気がしていた。

そこで一身上の都合により、仕事も住まいも引き払い、バックパッカーの旅に出るきっかけが訪れたため、東京を離れる決意をし、次の拠点は大阪くらいをイメージしていた。けれどもバックパッカーの旅から戻った私には、大阪ではなく”海外で働く”というビジョンが備わったため、帰国後にリゾートバイトを転々として、地方での仮暮らしを楽しみながら、海外行きのチャンスを狙っていた。

幸いにして、海外営業の仕事に就くことができ、国内で顧客を見つけてドバイへ行くはずだったのだが、会社の海外事業部がとん挫して、国内営業へとまわされ、私にとって興味深い土地で支店立ち上げの話しがあったため、そこに手を上げた。それをきっかけに今のエリアに引っ越してきたが、都内に戻る辞令が出たのをきっかけに退職し、今の会社へ転職し、現在に至るという流れだ。

2.子供の頃から自然が好きで、憧れを抱くエリアがあった

ちなみに私は小学校の頃から憧れているエリアがあり、いつかそこに住みたいと子供心ながら思っている場所があった。日本なのに森があり、洋風な文化があり、まるで北欧の世界のように思えた。

いつか、と抱いた憧れがリゾートバイトで一度実現することが出来た。

しかしながら、先の流れで支店立ち上げのための移住が始まった折、憧れたエリアがかなり近くであることを知った(立地関係を全然把握していなかった)。

町からさほど離れていないのに、あの日常離れをした風景を作り出していた理由は、急激な標高差。

それによって、インフラや自然環境の落差が発生し、遠くないのに全然雰囲気が違うエリアとして存在していることを知った。なので、前述の都内戻りの辞令が下りた際、私はその憧れの地での転職活動をし、見事その地での内定を勝ち取ることができたので、そのままこちらのエリアに残ることとなったのだ。

3.ある人を追って

実のところ、これが最も大きい決定打だと思っている。

死滅回遊的家庭で育った私は、人を全く好きにならなかった。

マジでコロシあいでしたね。正確にはコロサレル一方っていうか。

学生時代などは除いて、大人になってから恋心というものが欠落してしまったような状態だった。

人生に諦めを抱いて生きていた所、彼に出会った。

それは年末年始の冬休みにボランティアで手伝いに行っていた、とある温泉街の宿泊施設で起きた出来事だった。

たまたま同じくボランティアでその施設を手伝っていた彼と出会い、ほんの数日一緒に過ごした。

けれども私の心はめちゃくちゃに惹きつけられた。

“私を救えるのは、彼しかいない” そう芯から思った。

施設のオーナーを通じて気持ちを伝えたり、彼のいる時期に合わせて手伝いに行こうとしたりしたけれども、それは叶わなかった。彼と再会することができなかった。それでも心は、魂の形が変わってしまうほどに惹きつけられていた。

そうこうしているうちに、私はバックパッカーの旅をはじめ、海外営業の仕事を獲得した。

それでも私は諦めていなかったし、いつか彼を迎えに行くつもりだった。

そうして、海外営業の仕事がとん挫したとき、地方支店の立ち上げの話しが持ち上がった。

それは彼の住んでいる街に行く話だった。

私はこの流れに乗れば、彼に再開できると確信し、社内で記録的な売り上げをたたき出し、支店立ち上げの確定と、その立ち上げメンバー入りするところまでをつかみ取った。

そうして彼の住んでいる街へ移住し、かの施設のオーナーを通じて、その情報を彼に伝わるように共有した。

そうこうしているうちに、都内へ戻れという辞令が下った。

ここまで来て、東京に戻る選択肢はなかった。彼にまだ再会できていない。旅を終わらせる訳にはいかない、東京には戻れない。

なので、彼の街のすぐ近くにある、私が子供の頃から憧れた観光エリアで転職活動をはじめて、無事内定を獲得した。

いざ本格的に住んでみると、田舎の不便さに音を上げそうになったりもしたが、

“彼が、この街にいる” というのは、私にとって大きな意味があった。

だから帰れないし、帰るつもりも、今のところない。

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