フィリピンにあるスペインの城郭都市・イントラムロスの観光にやってきた。
(もはやどこの国の何なのかよくわからない)
このイントラムロスの地区にはいくつかの観光スポットがあり、それらは点在している状況と思われる。私は知っている。過去このようなケースで移動手段を節約しようとしたがために、めちゃくそ暑い中を歩く羽目になり、結果観光は気もそぞろになり、多少お金を払ってでも移動手段はケチるべきではないということを。それはインドの旅で学習したことだった。それ故に、この観光では全てをツアー的に包括し、移動手段を提供してくれるパッケージがあると有難い。
そうこうしているうちに、私たち3人を乗せたトライスクルはイントラムロスの入り口で私たちを下ろした。
入り口に降り立った私たちに早速、観光ガイドを提案するフィリピーノたちが現れた。
彼らは一人500ペソ程度を要求し、その中で各観光名所を周り、移動手段も用意してくれるというのだ。500ペソと言えば、概ね1500円程度。それを3人分。リーズナブルな価格だ。
羽生君にの体力に心配もあったし、何より私が節約のために歩き回るのが嫌だった。多少のお金を払ってでも全てのポイントを大まかに抑えてただついて行くだけの状態は望ましい。
私はその提案に合意して、3人分の観光ガイド費を支払った。
乗り物が2人乗りの関係もあり、私は羽生君との同乗を希望したため、羽生君と私、そして友人君の2両体制でイントラムロス観光が始まった。
このツアーの中には、私が見たいと思っていた歴史的な教会や、戦争の史実の残るエリアが含まれている。日本では特に神社仏閣などに興味はないのだが、過去スペインを旅行した際に、教会の迫力やガウディの建物に圧倒された経験があるため、見どころが特にない時には教会は抑えておいても良いスポットだと思っている。
ガイドたちにより、ガイドブックには出ていなかった公園や各所の歴史、見どころなど、彼らはよく押させており、写真係なども買って出て非常に助かった。
石畳が敷かれた街並みは、ところどころスペインを感じさせる趣の建物があり、過去訪れた本場のスペインを思わせるエリアだった。
色々見て回っているところ、羽生君が突然いなくなった。
しばらくすると彼は私のために水を買ってきてくれていた。
私はちょうどのどが渇いていたタイミングだったので、この羽生君の気配りにものすごく感激した。
もらった水を宝物のように抱えて観光を続けた。
そうして訪れた中で、ガイドブックにも結構大きく取り上げられている教会だった。
中に入ると圧倒的な重厚感、歴史の重み、神聖さ、静謐。
そういうものが一気に迫ってくる感じだった。
教会が人々の祈りを受け止め続けてきたことや、ここが神聖な場所であることを体感として感じられた。
ここで大騒ぎをする気持ちになれない、自然と声を抑えて会話をしていた。
「教会が神聖な場所だっていうのがわかる気がする」
羽生君に小声で感動を伝えた。
いろいろなエリアを回り、時間帯はもう夕暮れを迎え、辺りは薄闇に包まれ始めた。
こんなに丁寧に案内をしてくれて、乗り物(電動スクーター)まで回してくれて、彼らの半日に一人500ペソでいいのだろうか、と感じていた。
そう思った頃、案内コースが一周したようで、彼らは私たちをイントラムロスの入り口で降ろした。
すると彼らは、追加料金で一人1000ペソ近くを上乗せで要求してきた。
確かにこれでは割安過ぎて申し訳ないと思っていたが、一人1000ペソ(3000円)×3人分って私の財布にも大ダメージだ。
フィリピン人の月給はおよそ3万円程度と聞いたことがある。
この半日で、二人で1万円、折半で5000円としても、3~4日分相当の日当になるのではあるまいか。
彼らの言い分は、案内の際に「これらのコースを一人当たり1時間500ペソで案内する」というものだったという。そういえば、1時間というのはついていたが、彼らは効率的に1時間で名所を巡ると言うより、結構各所でじっくり時間を使ってくれていたみたいな印象があったが。。
とはいえ、お金のことで揉めるのは危険と思い、とりあえず要求された金額を払うことにした。
私はほぼすっからかんで、ホテルにデポジットで預けている3000ペソを日本円の1万円を交換してもらう必要がありそうだ。(このホテルはデポジットは3000ペソか日本円1万円で対応するとしているホテルだった)
「スキャマーだ(詐欺師)」
と羽生君と友人君は呟いていた。
やはり観光地で自ら近づいてくるような輩はどこの国でも要注意なのかもしれない。
勉強になったと思い、日本人に依頼していたらこれくらい取られただろうな、と私は早々に諦めた。
そんなこんなで、イントラムロスの観光は幕を閉じた。
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