必達TOEIC800点計画60 ~教えて!サイキックレディ・後編~

語学の勉強

誕生パーティーに行きたいと言ったら嫌な顔をした羽生君。めっちゃいい人みたいなのに、なぜあのような塩対応をされたのだろう。状況に対して不思議な印象を持ち始めたので、急遽私は「羽生君が私をどう思っているのか」をサイキックレディに観てもらうことにした。

「じゃあ先生は今あなたのことをどう思っているのか」

「これパートナーシップのカード。やっぱり今後も関わっていきたい気持ちはあるんだけど、現状いろいろ制約があったり、これまでのニュアンスでいくと結構自己犠牲とか慈愛のボランティア精神も出てたから、ちょっと人のためにとか生徒さんのためにていう動きを取りすぎちゃってて、シンプルにこれ(カードの状態)になれないっていう制限があるみたい。あと距離。国が離れているからそのことも気にしていて、成り立つのかなぁていう心配もあるみたい。でもあなたのことを頼りになるとも思っているし、自分のことを頼りにして欲しいとも思っているみたい」

肌荒れの心配をするなら、やれ野菜を食え、早く起きろと言ったことが彼に頼もしさとして映ったのだろうか。

「じゃあ、先生のことを考えながらこのカードを切ってみて」

そういって一束のカードを渡された。オンラインのセッションが多いこともあるが、彼女のカードに触れるのはこれが初めてだ。言われるがままに切ってみたところ、一枚のカードがビシっと飛び出し、私の切る手を止めさせた。

「何か今ピッとこれが出てきたから、この辺で」

と、彼女にカードの束を手渡した。

そうして彼女はそのカードをルノルマンの並べ方で展開していった。

「え、これすごくいいよ」

「でも段が違う」

「段が違うけれども、二人は向き合っているし、間には月のカード、人気を表すカードが一枚入っているだけだから。彼はあなたとのことを時間かけて行こうと思ってるみたいこのカードは運命的なご縁の気配がするね。今回フィリピンに行って先生との距離は縮まったんじゃないのかな」

その通りだ。

「じゃあ結婚相手も見てみようか」

そうしてまたカードの束を渡されたので、無作為に何度かカードを切らせてもらった。

今度はカードにピシッと止められることがなかったので、どこまで切ったらいいかよくわからず、何となくでカードを切るのをやめて彼女にカードを渡した。

彼女は再びそのカードをルノルマンの並べ方で展開していった。

「遠いね」

「そうだね、ちょっとまだ遠いみたいだね。でもさぁ、この男性の隣に月がでているあたり。。。」

「うん、私も思った」

もしかしたら、羽生君なのかもしれない、と。

「今日はありがとう」

そういってセッションを終えた。

悲しい空気はまだ外側から流れ込んでくる感じがした。

サイキックレディのセッションの結果から、羽生君はどうやら私に対して隠しておきたいことがあるだとか、距離を取りたいだとか、そういう感情があってバースデーパーティーへの参加に対して険しい回答をした訳ではなさそうだ。

でも、だったらなぜ?

レッスンの後に送られてきたSNSのメッセージはどれもしっくりこず、あのレッスンの時に出た咄嗟の表情こそが一番の真実のように思えてならなかった。

私がバースデーパーティーに行きたいと言った時の、あの表情が、私の頭にこびりついて離れない。

それでも、今日のセッション結果を信じるなら、真偽を確かめるためにもう一度レッスンを受けてみてもいいのかもしれない。

ほぼフェイドアウトを心に決めていたが、拒絶したい気持ちを抱えながらも、私は今からとれる最短のレッスンを予約した。

翌日の夜のレッスンだ。

その予約をして少しすると、ヒリヒリと傷ついた空気が流れてこなくなった。

セッションでいろいろ良いことを言われたが、まだ現実は動いていない。

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